「グランメゾン」は和製フランス語だという。直訳すると「でっかい家」。日本では、それがミシュラン3つ星クラスのフレンチレストランを表す言葉として使われている。しかし、それを自分の店に名付けるとはスゴイ話だよな…とあらためて思う。映画「グランメゾン・パリ」の話だ。

内容は2019年、TBS「日曜劇場」枠で放映されたドラマ「グランメゾン東京」のその後を描いたもの。ウェブで見た映画レビューの評判はいいようだ。主人公・尾花夏樹(おばななつき 演/木村拓哉)がウマい料理を食べると上を向くんだよなぁ~…アレ好きだったから何度見れるかな? そんな楽しみもあって見に行った。
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3つ星が獲れない…苛立ちを象徴する「魔法使いじゃねえぞ」
冒頭で印象的なのは、尾花がミシュラン2つ星を獲った=3つ星から落選した知らせを受けたあと、かたまり肉を冷蔵庫から掴み出し、「魔法使いじゃねえぞ」と投げつけ…ようとするシーン。これは、3つ星に届かなかった無念と、その原因は質の良い肉(食材)が使えないからだ、腕でカバーするにも限度があるだろ…そんな苛立ちを象徴したシーンだ。
そう、尾花がシェフを務めるグランメゾン・パリには大きく分けて3つの解決すべき課題があった。いい食材が手に入らない。尾花が迷い、孤立している。スタッフが不安定。そんななか、店のオーナーから3つ星を獲得しなければ、店を出ていけという条件が付き付けられる。ミシュランの発表は半年後。さて、どうする、どうなる…? といったストーリー。肩肘はらず、娯楽として見るにはちょうどいい。シンプルでわかりやすい内容だった。
料理の説得力が違う! 映画を地で行くシェフが監修
まず、作品を通して極めて良いと思ったのが、ひとつひとつの映像にリアリティがあった点。屋上のシーンひとつ取っても重厚な空気感が出ていて、それだけでああ、フランスだなぁ…と。出張料理を行ったレストランは豪奢そのもので、うおっ、緊張する! と思わず背筋が伸びた。
そして、料理。クライマックスとなるブランカン父子を招いてのフルコースが圧巻だった。芸術作品のオーラがあって、量は少ないのにスケールが違う印象。あの料理はいったい誰が考えたんだろう? そもそも、作中でフランスの3つ星を獲れそうな料理を出すって、ハードル高くない…?
調べてみたら、本作の料理を監修したのは3つ星シェフの小林 圭(けい)さんだった。彼がオーナーを務める「Kei」(パリ1区)は、2020年にフランス版ミシュランガイドで3つ星を獲得。これはアジア人初となる快挙で、以来5年連続で3つ星を獲っているとのこと。映画を地で行く人が監修したのか! そりゃあ料理が「違う」わけだ。

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多少の言いたいことはある。たとえば、韓国語
とはいえ、多少は言いたいこともある。韓国人パティシエのリック・ユアン(演/オク・テギョン)がほぼ韓国語を話していたことだ。尾花が韓国語を、ユアンが日本語を理解できるというテイなのだが、無理があるよね。お店の人との会話はどうすんのよ? リアリティの面で、そこだけが残念。一方で、韓国語で話したほうが彼の魅力が出るのもわかるんだよね。ほかに何かいい方法あったかな? スマホの翻訳ソフトを使う…マヌケすぎるな(笑)。うーん、悩ましい…。
あとは、尾花がウマい料理を食べると上を向く例の仕草だ。ドラマ版ではペリカンが魚を丸飲みするがごとく真上を向いていたが、本作では角度も回数もひかえめで、個人的には「もうひと声!」といったところ。とはいえ、あまりに大げさにやりすぎると、作品の邪魔になっちゃうか。
それと、早見倫子(演/鈴木京香)が肉の市場で半年も働くか? 現実離れしてない? …とはいえ、倫子がなぜソースの味付けに失敗したのか、というナゾに対する答え合わせも納得したし、肉の市場で働いていたのも味覚障害の回復を待っていた、と考えればまあいいか。
尾花が「オレのどこが間違ってる?」って、下っ端に意見を聞いたのも疑問ではある。ただ、そこは倫子や京野(演/沢村一樹)のマジ説教よりも、素朴な意見が聞きたかったんだろう。
あとは普通、金貸しが人を縛って家に火をつける? どんだけ貸したん? 個人的には、その後、ユアンが金貸し一派に再度報復を受けないか心配だな。
あとは、肉以外の食材が集まった理由については少し浅いか…料理を思いつくブレイクスルーの経緯もちょっと薄いかな、といったところ。…気になるとこ多いな(笑)。とはいえ、テンポを良くする意味でも許容範囲であり、すべては料理の圧倒的なリアリティによって、満足感のおつりが来るというものだ。
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思わず涙が出た「相沢、お前にまかせる」
作品を通じて、一番グッときたシーンは、作りたいサラダのイメージを話す相沢(演/及川光博)に対し、「相沢、お前にまかせる」とまっすぐ言い切った場面。これはアツい。こんなこと言われたら、やるしかないじゃんか! 信頼や信念が伝わってきて、思わず涙が出た。
ガンコ者同士(イケメン同士)の尾花とユアンが実は互いに惹かれ、認め合っていたというところも、おおお…って感じ。特に女子はたまらんのでは?
もちろん、クライマックスのディナーシーンも忘れちゃいけない。料理への新鮮な驚きと感動があり、ウマイ料理で酒が進むのもわかるなぁ~! 厨房の団結が見えて、京野らが作るホールの親密で温かな空気も伝わってくる。
そして、リンダ・真知子・リシャール(演/冨永 愛)の解説、助かる! 記事を書いているテイで料理を懇切丁寧に解説してくれたから、何がどうなっているのかがよくわかった。彼女を演じるのが世界を見てきたトップモデル・冨永 愛ということもあって、料理に負けない存在感があり、語り部としての「格」は申し分なし。最後に、心からの「おいしかった~」のシーンもいいね。

こうして、一人で抱え込んでいた尾花が、仲間の力を借りて栄光を掴み取るわけで。お約束の展開ではあるが、大いに楽しめたと思う。何より、映像に説得力があった。きっと、逃げ道を作らずまじめに作ったんだろうな。
別の記事でも触れたことがあるが、私は、映画の魅力を「旅」と捉えている。登場人物の目線になって人生を味わい、新たな風景、新たな文化に浸る束の間の旅…。その点でいえば、本作は悪くない「旅」だった。映画を通じて、パリという都市、3つ星レストランを内外から体験した確かな実感がある。楽しくて、いい旅だったよ。ありがとう!

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