出張で京都を訪れることになりました。出張の次の日が休日なので、どうせなら1泊を後付けして楽しんじゃおう。泊まるなら、飲み屋街として知られる河原町がいい。河原町でいい店ないかな…とネットサーフィンをしていると、なんだかすごそうな店を見つけました。「Bar Rocking chair」 (バー・ロッキングチェア)です。
食べログの点数が4.1! ワールドチャンピオンがオーナーを務める店
同店は「食べログ バー 百名店 2022」にランキングしていて、食べログの点数はなんと「4.1」。ほかの百名店でもほとんどが3.7くらいのなのに、何なんだこの点数は? 何でも、オーナーバーテンダーの坪倉健児さんは2016年に開催された「ワールド・カクテル・チャンピオンシップ」で総合優勝を果たし、日本人で2人目の「ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたそう。お店の写真の雰囲気も良さそうだし、これは行ってみたい!
というわけで、仕事を終えてやって参りました。シラフでは緊張して行けないと思ったので、その前に2軒、軽く飲んでから向かいます。
ついに到着。外観はこざっぱりした町屋のイメージ
上の写真のようないい雰囲気の道を歩いていくと、ありました! いわゆる京都の町屋の外観。格子戸の足元には照明が置かれ、そこが入口であることを示しています。外観だけ見ても、こざっぱりしていて気持ちがいいです。
ドキドキしながら格子戸を開けて中に入ると、またしても気持ちのいい空間が現れます。町屋でいう「通り庭」でしょうか。その先に、バーの入り口が見えています。こんな空間でもワクワクさせてくれますね。…ほどなく菅田将暉似の若いバーテンダーが出てきて、少し待てば入れる旨を伝えてくれました。待つこと10分、いよいよ中へ。
店内は由緒正しきオーセンティックバーの趣
店内には深みのある色調の木材の家具や調度が置かれ、こはく色の光が満ちていました。BGMはジャズだったような。バーカウンターはおそらく一枚板で、カウンターの中ではベストにネクタイを着用し、髪型もビシっと決めたバーテンダーが忙しく立ち働いています。バーテンダーは4~5名。その後ろの棚にはスピリッツやリキュールがズラリと並びます。由緒正しきオーセンティックバーの趣ですね。窓際にはロッキングチェア(揺り椅子)も見てとれます。
筆者はカウンターの奥から3番目くらいに着席。カウンターでの一人分のスペース広くとられていて、極めて快適です。カウンターの客を観察してみると、一番奥が初老のたたき上げ経営者風の男性、奥から二番目で私の左隣が20代後半くらいのアジア系外国人女性、右隣が男子大学生(バーテンダーにそう話していました)、といった構成。どなたも裕福そうだな、という印象です。
特にたたき上げ経営者風の男性はいかにも常連で、待っていた私をスルーして先にお店に入り(30分だけ電話で席の確保ができる模様)、菅田将暉似のバーテンダーにいくつもウイスキーのボトルを出させて選んでいました。この男性の心中を想像するに、ここの常連になって、感慨も深いんじゃないかなぁ。建設現場で汗水流して働いて、1杯の酎ハイが楽しみだったあのころ。そして今、値段を気にせずこの店に通っている。…頑張ったな、オレ。でも、あの頃も懐かしい…みたいな。
妄想はさておき、オーダーしなければ。筆者の接客をしたのは、メガネをかけた20~30代とおぼしき細身のバーテンダー。「こちらに来るのは初めてで、ジンベースのカクテルはどんなものがオススメですか…?」と聞くと、「ロングカクテルですか? ショートですか?」と聞かれ、ショートを所望すると、「でしたら、当店のオーナー坪倉が世界大会で優勝したカクテルはいかがですか?」とのご提案。「ぜひ、それを!」とオーダーしました。
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いままで飲んだカクテルで一番ウマい「The Best Scene」
店内は混んでいて、カウンター以外の席のドリンクも作るので、提供までは少々時間がかかります。待つことしばし。…お、私の順番が来たらしいです。対面するバーテンダーが淀みなくリキュールを計量し、シェーカーに投入。派手に振ってくれます。おお、カッコいい! 甲高いけど耳障りではない、すっごいいい音。みなさん、見てください。いま作ってるの、オレのカクテルですから!
…謎の優越感ののち、提供されたのが「The Best Scene」(ザ・ベストシーン)。キレイですね…。何かの果実でしょうか、表面にはつぶつぶが浮いています。口に含むと…うわっ、とんでもなくウマイ! なんだろう、この味…スピリッツがもたらす高揚感、柑橘の酸味とフレッシュ感、ビターな味わいが完璧な調和を果たし、一個の完成されたドリンクになっている! 例えるなら、「ジンよりもジンらしい飲み物」。ジンの良いところだけを増幅したかような…。つたない表現ですみませんが、いままで飲んだカクテルのなかで、一番ウマかったです。いやあ、ジンベースのショートカクテルを頼んで本当に良かった。
その後もジンベースのショートカクテル2点を頂きました。どちらもおいしかったですが、最初の一杯の感動には及ばず。文字通り、「The Best Scene」を口にしたときが、今日のベストシーンとなったのでした。
お会計はショートカクテル3杯で6900円
お会計は6900円。同店ではドリンクメニューは用意しておらず、結果的に筆者は各カクテルの価格を聞きそびれました。テーブルチャージが880円、ショートカクテルは3杯頼んだので、一杯につき2000円前後と想像できます。なお、公式サイトによると各ドリンクの下限価格は次の通り。
●BEER クラフトビール 各種 ¥1100~
●WINE グラスシャンパン ¥1870~ / グラスワイン(赤)¥1320 /(白)¥1100
●WHISKY ブレンデッド スコッチ ¥1100~ / シングルモルト ¥1320~ / バーボン ¥1210~ / ジャパニーズ ¥1320~
●COCKTAIL スタンダードカクテル ¥1320~ / フルーツカクテル ¥1760~
まとめ:「また必ず行きたい」と思える店
いやあ、会計は高かったけど、来てよかった。名店特有の雰囲気や緊張感を堪能できたし、何より、バーは酒がウマいのが一番。バーテンダーは絶え間なく作業していて、気さくにお話できる感じではないのですが、お酒がこれだけウマければオールOKです。
東京に戻ったいまでも、ときどき「The Best Scene」のうまさを思い出します。それに、オーナーバーテンダーの坪倉さんは、カウンターの反対側に居て今回は接客してもらえませんでしたが、いつか直接カクテルを作ってもらって、レシピの意図なんかも聞いてみたい。また、必ず行こう。「ロッキングチェア」に出会って、京都へ行く楽しみが増えました。
【総評】
味:5/5
コスパ:2/5
オペレーション:4/5
おもてなし:3/5
楽しさ:3/5
席の快適度:5/5
おしゃれ感:5/5
体験価値:5/5
満足度 S
カクテルの味は抜群で、訪れるだけで気持ちがアガる雰囲気も魅力。記憶に残る店です。
※当日のオーダーに対する個人の感想です
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